3週間前より首の痒みがあって、でも冬になると自分乾燥肌なので、
痒みがでることも割とよく有ることだからと思ってほうっておいたんですけど、
ここ1週間で急激に痒みがひどくなり、首には円形に赤くただれて、でも皮膚はすごく乾燥してるみたいな症状がでてきたんです。
しかもそれが頭皮の方まで広がってしまって。
こんな風に夜も寝れないくらいに痒く感じるのは初めて。
なので、かかりつけ医に診てもらいにいくことに。
イタリアに住むとそれぞれ自分のmedico di base (メディコディバーゼ)と呼ばれるかかりつけ医を自分で選ぶことになります。
なにか調子が悪いなと感じたら、彼らに連絡して、予約をとり、診察というかたちになります。
ですから、日本みたいにちょっと熱っぽいな、即病院に行こう!みたいにはあまりならないようなんですね。
今回もそのような形で診察予約をとってかかりつけ医に診てもらい、診断を受け、薬をもらいました。このように自分のかかりつけ医で診てもらえば診察代は無料で、薬も安い価格で買うことができます。
ですが、このファーストの診断はかなり簡易的なもののようで、もちろん相手はお医者様なので、きちんとした経験と知識によって診断してくれるんですが、
ちょっと判断のつけづらい症状であったりすると、日本の病院(私の経験上の話ですが)だと、じゃあちょっとこの検査をしてみましょう、となると思うんですけど、
Medico di base では簡易的な医療設備しか備わっていないようなので、なかなかそうはならないんです。
とりあえず、この症状はこの病気の可能性が高いからこの処方をします。様子を診てみて、また何か変化があったら、違う可能性を考えてみましょう。そして、また新しい処方をして違ったらまた…みたいな感じなんです。(とは言え日本でも同じようなことはありますね)
今回、自分が受けた診察はこの様な感じで、結局あまり効果がみられず、むしろちょっとした疑いを持ちながら数日を過ごしたんですが、結局しびれを切らして、相方がプライベート診察を予約してくれました。
このVisita privata(ヴィジタプリバータ)は待ち時間も短いし、専門医にかかりつけ医の紹介状なしで診察してもらうことができます。もちろん、かかりつけ医が紹介状を出して、その紹介状をもって専門医にかかることも可能です。
ですが、そうなるとまた時間を要するので、また時間がかかるということに…。
そうして皮膚科の専門医の診察を受け、診断はかかりつけ医と違い、薬も違う種類のものをもらうことに。現在、経過をみていますが、まあ正直な感想としてはかかりつけ医よりはやはり信用できるかなと。
診察中この専門医がなかなかおもしろい話をしてくれて、
イタリアの医療制度servizio sanitario nazionale(SSN)はかつてはうまく機能していたそうで、イタリアの医療レベルもヨーロッパの中で高いレベルを誇っていたそう。なぜなら、昔はお年寄りが少なくて若者が多かったため、税金が医療システムに集中することもなく、また税金を収める若者の数が多かったため、医療制度も無料でカバーすることができたと。
ですが、今は比率が逆ピラミッドのため、国が高い医療設備を病院に与えることができず、たくさんの病院が閉鎖に追い込まれてしまったそうで、そうなると若い医者達の行き場がなくなり、医者に与えられるお金も少なくなり、かつドイツやフランスまた他の国からのイタリアの質の高い医者の需要が高まっているため当然彼らは外国に行ってしまうということみたいなんです。
そうなれば、イタリアにはなかなか質の良い医療は残らなくなってしまいますよね。
自分を診てくれた専門医はこの状況を憂いていたんですけど、でもこれって日本も同じ状況が起こっているような気がしました。特にITとかテクノロジー関係のお仕事って、日本は給料がかなり低いから、この分野の勉強をした方達はアメリカとか他の国に行ってしまうという現状を聞いたことがあります。研究に対しても日本はあまりお金を出してくれないとか…。
ちょっと話がずれてしまいましたね、すみません。
イタリアの国民保険の医療システムは、時間を多く要すること、そして医療設備のレベルなどが問題にあげられるのかなと思います。今回利用した visita privata は保険のカバーがないので自費です。なので、高い値段で診てもらいました。
ですが、病気になったときに一番思うことは、「早く治したい…!」ですよね。
なので、結局早く治すには自費診療を受けるのがいいとなるとなかなか、お財布的には難しいなと思うイタリアの医療制度なのでした。
海外移住したいなと考えている方はやはり医療制度は特に重要な部分だと思いますので、いろいろ調べて、受け入れられるか受け入れられないかちゃんと判断したほうが安心材料になると思いますよ。