ヴェネツィアに旅行したことのある人ならば、おそらく目にしたことがあると思われるライオンの像。
ヴェネツィアのサンマルコ広場にある、柱の上にそびえ立ち、ヴェネツィア市民の生活を長い間見守り続けてきた有翼の獅子、
なんとこれが、遥か昔、中国で製造されたものであるということがわかったのだそうです!
Il leone di piazzetta S. Marco a Venezia è "Made in China"
(https://www.unipd.it/news/leone-piazza-s-marco-venezia-made-chinaの一部を引用)
パドヴァ大学とIsmeo(地中海・東洋国際研究会)が行った調査によって発見され、この像の鉛の同位体分析によって明らかにされたんだそうです。
彼らの報告ではこの像はなんと唐の時代に作られた像で、もともと镇墓兽という墓守の像として利用されていたものだったんだそう!
分析によって、揚子江の下流域で採れた銅を使って製造されたものだったこともわかったのだそうです。
まさかあのサンマルコ広場で必ず見るであろうライオンの像がはるばる中国から運ばれてきたものだとは思いませんでした。
しかもマルコポーロが1295年にイタリアに帰国したときにはすでにあったということがわかっているそうです。
どうやってあのすごくずっしりとした、存在感のある像を、遠い遠い中国から持ってきたのでしょうか。
現在の科学分析によって明らかになった歴史ですが、これからも最新の科学によって明らかにされるものは増えていくんでしょうね。それがいい関心をもたらすのか、それとも政治的、歴史的に多少なりともインパクトをあたえるのかどうかはわかりませんが。
今回のニュースによって、少なくともヴェネツィア市民や観光業を営む方にとっては多少の驚きを与えたと思いますし、
今後観光ツアーなどで、ガイドさん達が解説する内容も変わってくるかもしれません。
やっぱり歴史っておもしろいなあ。